みなさんの元にはカードリーダーの保守期限到来の連絡届きましたか?
オンライン資格確認が本格運用を開始したのは2021年10月。あれから約5年がたとうとしており、初期に導入した施設では2026年から順次、顔認証カードリーダーの保守期限を迎え始めています。
ただ、正直保守期限到来と言われても具体的にどんな影響があるかわかりませんよね。
今回は保守期限の実態と各社の対応、そして期限切れ後に何が起きるのかを整理します。
なぜ今、保守期限が問題になっているのか
顔認証付きカードリーダーには、無償・有償、保守申込の要否などの違いはあれど、ほとんどのメーカーで約5年間の保守期間が設けられています。保守期間内であればカードリーダーの故障対応や障害時サポートを受けることができます。
修理対応方法も多くのメーカーが「先出しセンドバック方式※」を採用しており、これにより、故障時も業務停止の時間を最小限に抑えることができる体制になっています。
※「先出しセンドバック方式」とは、故障した機器をメーカーに送り返す前に、まず代替機を送ってもらえる仕組みのこと。
この保守期間が、最短で2026年3月末から順次終了し始めています。オンライン資格確認の本格運用開始が2021年頃ですので、早めに導入した医療機関では5年経過する頃です。
実際、早期に導入した施設には医療機関等向けポータルサイトから保守期限到来のメールが届いており、当時導入作業を行った私たちベンダーにも「うちはどうしたらいいのか」と、対応のご相談をいただいています。
今や医療機関の必須装備ですので、「新しいカードリーダーへの買い替えをした方がいいのか?」「保守契約の延長はできるのか?」など、機器故障のリスクを考えると気になる点だと思います。
各社の保守スタンス
主要4メーカーの保守対応をまとめます。いずれも保守方式は「先出しセンドバック」ですが、期限の起算ルールやサポート体制に違いがあります。

キヤノンマーケティングジャパン(Hi-CARA)
保証期間は出荷月の1日から起算で5年間。先出しセンドバック交換。ただし2021年10月以前に納品された機器については、2021年10月1日を起算日とし、2026年9月30日が保守終了日となる。ユーザーの過失による故障は保証対象外となり、別途費用が発生。
次期カードリーダー「Hi-CARA2」発売。
出典:https://canon.jp/biz/product/ht-mobile/lineup/edge/hicara/faq
パナソニック コネクト
お買い上げ日より5年間の無償保証期間で、先出しセンドバック修理で対応。保証期間終了後は有償修理対応となる。
出典:https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/facial-recognition/onlineinfo
富士通(Caora)
本体納品日翌月の1日から5年間の無償保証期間あり。先出しセンドバック修理。
※2026年4月から8月に保守期限切れとなる場合、現行Caoraの保守を2026年9月30日まで延長。(後継機の販売開始予定日(10月)まで)
出典:https://docs.fujitsu/documents/fjj/Caora-catalog-ja-v1.0-20260108.pdf
USEN-ALMEX
5年間。先出しセンドバック方式。5年の保守期間のうち18ヵ月までが無償、19ヵ月目以降は1台あたり月々2,500円(税抜)。(保守契約申し込みが必要)
※保守ご契約済みユーザーについては、現時点で保守対応期限は設けていない旨の記載あり。(2026年6月時点、USEN-ALMEX公式HP「マイナタッチ保守期限に関するお知らせ」)
出典:https://www.usen-almex.jp/mc/products/examination/mynatouch.html
※メーカーによって起算ルールや保守期限到来後の対応方法が異なります。詳細は必ず導入時の契約書類や各社公式サイトをご確認ください。
保守期限の確認方法
ご自身の施設で使用しているカードリーダーの保守期限はカードリーダーのメーカーに確認するのが一番手っ取り早いです。保守期限を確認するためにまずは、以下の2つの情報を準備します。
- シリアルナンバー:カードリーダー本体の側面・背面・底面に貼付されているラベルに記載
- 医療機関コード(10桁)
確認ステップ
- カードリーダー本体のシリアルナンバーをメモする
- 各メーカーのサポートページ(パナソニックはチャットボット、キヤノン・富士通・USEN-ALMEXはサポート窓口)にアクセスする
- シリアルナンバーや医療機関コードを伝えて(入力して)保証期限を確認する
医療機関等向けポータルサイトに問い合わせ先一覧も公開されています。
医療機関等向けポータルサイト:KB0012685「【厚生労働省からのお知らせ】現在ご利用中の顔認証付きカードリーダーにおける保守期限の確認方法と次期顔認証付きカードリーダー等に関するご案内」
知らぬ間に保守期限が切れていたということにならないように、事前に確認しておくことをお勧めします。
保守切れで想定されるトラブル
保守期限が切れても、機器が使えなくなるわけではありません。しかし、機器が故障した際には業務に大きな影響が出ます。
① 代替機の即時提供が受けられない
保守期間中は「先出しセンドバック」によって、故障連絡をすれば数日以内に代替機が届きます。
しかし保守切れ後は、この仕組みが使えなくなります。修理や交換の手配に時間がかかり、その間はマイナ保険証の確認ができなくなる恐れがあります。
② 修理費用が全額自己負担になる
保証期間内なら無償で対応される自然故障も、期限後は有償修理となります。カードリーダーは精密機器であり、修理費用は数万円に上ることもあります。
③ 買い替えや機器選定の余裕がなくなる
実は、私が最も気にしてほしいのがこのポイントです。
保守切れの状態で突然故障した場合、各社の先出しセンドバックの修理対応が受けられないため「すぐに動かせる状態に戻す」ことが最優先になります。
本来であれば、修理と買い替えのどちらが費用的に合理的か、補助金は使えるのか、機種ごとの使い勝手や電子カルテとの相性はどうか、など施設の状況に合わせてじっくり検討すべき内容です。しかし業務が止まっている状況ではそのような余裕はなく、「すぐ手に入るもの」で決めざるを得なくなります。
日々いろいろなクリニックや薬局を回っていると、「ここはキヤノンのカードリーダーの方が合っているな」「パナソニックの方がスリムで場所をとらなくていいだろうな」「他店舗と機種を統一したら管理が楽だろうな」「この機種なら電子カルテと一体型で運用できるのに」と感じることがよくあります。
正直、制度開始当初は私自身も右も左もわからないまま導入を進めるので精一杯で、各医療機関にベストな提案ができていたとは言えません。そもそもメーカーごとにどれだけ違いがあるのかも、把握しきれていませんでした。
でも、マイナ保険証が現場に浸透していく中で、各メーカーにそれぞれ明確な特徴があることがわかってきました。(結構違います)
導入から5年というこのタイミングは、各社カードリーダーの特徴を理解したうえでそれぞれの医療機関に最適なカードリーダーを選び直せるせっかくの貴重な機会でもあります。
保守期限が近づいた段階で、ぜひ早めに検討を始めて後悔のない選択をしていただきたいです。
まとめ:まずは保守期限の確認を
顔認証付きカードリーダーの保守期限を意識して使用している医療機関は少ないのが現状です。しかし2026年以降、確実に期限が切れ始めます。
- 最短2026年3月末から順次期限到来
- 保守期間はおおむね5年間(先出しセンドバック方式)※各社条件が異なる
- 保守切れ後は代替機提供なし・修理有料・業務停止リスクあり
- 保守期限確認はシリアルナンバーと医療機関コードを用意し、各メーカーに問い合わせ
- 保守切れは各社カードリーダーの特徴を理解したうえで最適なカードリーダーを選び直せるチャンス
まずカードリーダー本体のシリアルナンバーを確認し、各メーカーのサポートページで保守期限を調べるところからスタートです。



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