第2世代の顔認証付きカードリーダーの販売が一部メーカーで開始されました。厚生労働省からは補助金に関する情報も徐々に出てきています。
この記事では、カードリーダーの買い替えを検討している方向けに、メーカーごとのカードリーダーの違いや特徴について解説していきます。
現時点で販売を予定している3社の製品がすべて出揃うのは2026年10月頃の見込みです。それまでは比べようがない部分が残りますが、今の時点で判明している情報から、3社の特徴を整理し選ぶ前に押さえておきたい点をまとめます。
※2026年8月29日時点の情報です。
第2世代を発売するのは3社
第2世代(次期)カードリーダーを開発しているのは次の3社です。
| メーカー | 製品名 | 発売時期 |
|---|---|---|
| キヤノンマーケティングジャパン | Hi-CARA2 | 2026年4月22日(発売済み) |
| パナソニック コネクト | XC-STFR3J-MN | 2026年8月24日(発売済み) |
| リコージャパン | Caora 2 | 2026年10月(予定) |
現在Caoraをお使いの医療機関では「富士通の機械なのに、なぜリコー?」と思われたかもしれません。
リコージャパンのカードリーダーについては、現行機種の富士通製カードリーダーの後継機種として発売予定です。Caoraの後継機は、販売会社がリコーに変わると思っておけば大丈夫です。
なお、現行機を出しているメーカーのうちUSEN-ALMEXとアトラス情報サービスは、2026年8月29日時点で第2世代発売の情報はありません。これらをお使いの医療機関の場合、第2世代のカードリーダーに買い替えるとメーカーが変わることになります。
各社の発売状況は、医療機関等向け総合ポータルサイトの「第2世代(次期)顔認証付きカードリーダーの発売開始と補助金のご案内」で随時更新されています。
第1世代(現行機種)から何が変わるのか
第2世代で向上・改善した点として次の6つが挙げられています。メーカーによって詳細な仕様は異なります。

- 本体だけでスマホのマイナ保険証に対応:iPhone・Androidに対応。外付けのスマホ用カードリーダーの追加接続が不要で本体一体型になります
- エラー発生時のお知らせ機能:カードリーダーだけで解決できないエラーや障害発生を音やライトで通知。対応漏れを防ぎます
- ネットワークエラー時の自動再接続:一部のネットワーク障害や資格確認端末のOS再起動などがあっても受付できる状態に自動復旧。手動操作の手間を減らします
- 音声案内とテンキー搭載:目視確認が難しい患者でも、画面の内容を音声で確認可能。タッチパネルに加えテンキーでの入力にも対応。(テンキー非搭載や外付けタイプの機種もあります)
- 顔認証の通りやすさが向上:顔認証成功率の向上。顔認証失敗を減らし、受付の負担軽減につながります
- 画面・状態の分かりやすさ:レイアウトの統一、高コントラスト、大きめのボタンで操作しやすい設計
3社の製品比較
それでは各社のカードリーダーの仕様を確認していきましょう。
表で見る各社の製品比較
| 比較項目 | キヤノンマーケティングジャパン | パナソニック コネクト | リコージャパン |
|---|---|---|---|
| 機種名 | Hi-CARA2 | XC-STFR3J-MN | Caora 2 |
| 発売時期 | 発売済み | 2026年8月24日発売 | 2026年10月発売予定 |
| 価格 ※直販価格 | 234,300円(税込) | 379,500円(税込) | 不明 |
| スマホ対応 | 本体で対応 | 本体で対応 | 本体で対応 |
| 画面 | 5インチ | 7インチ | 7インチ |
| 資格確認端末 | 別途必要 | 本体に内蔵 | 別途必要 |
| 接続方式 | USB | 資格確認端末内蔵のため接続不要 レセコン等とはLAN接続 | USB |
| 物理テンキー | 一体型 | 別売18,700円(税込)※10月発売 | 不明 |
| 複数台接続 旧機種との混在 | 資格確認端末1台に最大4台 旧機種の混在可 | 旧機種含め同時運用が可能 (内蔵PCへ旧機種や他メーカーカードリーダーの接続は不可) | 資格確認端末1台に最大4台 旧機種の混在可 |
| 本体寸法 (幅×奥行×高さ) | 98×225×268mm | 148×167×276mm | 130×185×301mm |
| 保守・保証 | 5年間 先出しセンドバック方式 | 1年 +Web登録で4年延長 | 5年 先出しセンドバック方式 |
| 特徴 | ・物理テンキーを一体化し標準搭載 ・操作部の取り外し構造は継承 ・旧機種と混在設置可能で、追加ライセンス不要 | ・資格確認端末(WindowsPC)をカードリーダー本体に内蔵 ・資格確認端末も含めたシステム全体の省スペース化 ・LAN接続可能で設置場所の自由度が高い | ・7インチの大画面 ・現行Caora比−37%の省スペース化 ・旧機種と混在設置可能で、追加ライセンス不要 |
参考:
キヤノンマーケティングジャパン「顔認証付きカードリーダー Hi-CARA2」
パナソニック コネクト「スマホマイナ保険証対応 顔認証付きカードリーダー」
株式会社PFU「顔認証付きカードリーダーCaora」
価格
発売済みのキヤノンとパナソニックとではカードリーダー本体価格に15万円近く差がありますが、カードリーダー本体以外の必要な装備が異なるため一概に比較できません。
キヤノンは資格確認端末が別構成です。既存端末を継続利用できない場合は、資格確認端末の購入費も含めて比較する必要があります。パナソニックはテンキーが別売り(18,700円)です。比較の際は注意してください。
スマホ対応
全機種が、カードリーダー本体でスマホマイナの受付に対応しています。
保守・保証
各社とも若干の違いはありますが保守・保証期間が5年に設定されています。
パナソニックは通常保証1年に加えて、Web登録することにより4年延長。
キヤノンマーケティングジャパン「Hi-CARA2」
3社のうちで最も早く販売を開始したモデルです。
第1世代Hi-CARAの操作部取り外し構造を引き継ぎ、テンキーが本体と一体化しました。外付けテンキーを買い足す必要もありません。
- 設置幅は約98mm。テンキー内蔵で、受付が狭くても置きやすい
- 操作部を取り外せる。車椅子の方や小柄な方にも高さを合わせることが可能
- 本体上部に3色に光る大型LED。受付側から状態が一目で分かる
- 第1世代のHi-CARAと混在して最大4台まで接続可能(追加ライセンス費なし)
新旧機種が混在できるため、複数台お使いの施設では1台ずつ順番に入れ替えたり、旧機種にプラスして追加の1台として設置することも可能です。
資格確認端末(PC)の入れ替えがない場合には、医療機関側で設置作業できる点も魅力です。
詳細は「第2世代顔認証付きカードリーダーのご案内 ①キヤノンマーケティングジャパン」に掲載されています。実機に触れた医療機関の声も紹介されています。
パナソニック コネクト 「XC-STFR3J-MN」
3社の中で最も大きく仕様が変わったのがパナソニックです。資格確認端末を本体に内蔵しており、カードリーダーとPCが1台にまとまります。
- 資格確認端末(Windows PC)を内蔵した価格。別途オンライン資格確認用端末の準備が不要
- レセコンとの間はLAN接続。設置場所の自由度が向上
本体とレセコンの間はLAN接続のため、USB接続に比べ設置場所の自由度が高く、PCが1台減ることで省スペース化も期待できます。他メーカーにはない重要なメリットです。
ただし、資格確認端末を内蔵した機種は今回が初めてですので、未知数な部分もあります。運用中の使い勝手やトラブルの頻度などは、現場で実際に使われはじめてみないと何とも言えません。また、導入時には資格確認端末の買い替えや追加と同じだけの手間と費用がかかることになるでしょう。
なお、内蔵PCに対して旧機種や他メーカーのカードリーダーを接続することはできません。またテンキーは別売オプション(2026年10月発売予定)です。
リコージャパン「Caora 2」
現行の富士通製Caoraの後継機種です。3社で最も遅い10月の提供開始予定で、価格はまだ公表されていません。
- 操作しやすい7インチディスプレイ(現行機は5インチ)
- 設置幅が現行機より約4cm狭くなる
- 操作箇所が分かる点滅型の指示ランプ
- 現行機と混在した複数台接続が可能(追加ライセンス費なし)
現在Caoraをお使いの医療機関の場合、おそらく第一の選択肢に挙がると思いますが、価格などの詳細情報が判明していませんので、10月の発売・情報公開を待つことになります。
比較表だけでは分からない3つの注意点
カタログの数字だけでは見えにくい、比較する際の注意点を整理します。
「現行機種は保守期限が過ぎたら使えなくなるのか」「いつまでに動けばいいのか」という買い替え時期の疑問については、顔認証カードリーダーの保守期限はいつ?各社の対応と確認手順で詳しく解説しています。期限を過ぎてもすぐに使えなくなるわけではありませんので、そちらもあわせてご覧ください。
① メーカーを変えると複数台の混在ができない
ポータルサイトには、「同一メーカーの製品を使用している場合に限り、1台の資格確認端末へ複数台の顔認証付きカードリーダーを接続することが可能です。」と記載されています。
つまり、異なるメーカーのカードリーダーを1台の資格確認端末に接続することはできません。資格確認端末1台(PC1台)につき、1メーカーに固定されます。
1台運用の施設なら気にする必要はありませんが、複数台運用を予定している施設では注意が必要です。
USEN-ALMEXやアトラス情報サービスをお使いの施設は、第2世代に買い替えるとメーカーが変わります。複数台での運用を希望する場合には、カードリーダー全台の入れ替え、もしくは資格確認端末の追加のいずれかが前提になる点を想定しておきましょう。
② 入れ替え作業の難易度
「カードリーダーを買い替えるとデータの引っ越しが大変では」と心配される方がいますが、一般的なPCのようなデータ移行作業が発生する機器ではありません。ただし、新機種のセットアップや接続設定は必要ですので、どういった場合にどのぐらいの作業が伴うのか知っておきましょう。
作業の進め方は大きく2つに分かれます。
- ご自身で設置できるケース:Hi-CARAからHi-CARA2への入れ替えで、資格確認端末を継続して使用する場合。※手順書と手順動画があり届いたその日に設置できる
- ベンダー作業になるケース:別のメーカーに変更する場合、資格確認端末の入れ替えを伴う場合、パナソニック コネクト製カードリーダーの場合。
メーカー変更や資格確認端末(PC)の入れ替えが伴う場合は、自力での設定は困難だと思いますのでベンダー作業になると思っていいでしょう。カードリーダー本体の費用以外に、ベンダーへの設置・調整費がかかる場合がありますのでその点も考慮が必要です。
パナソニックのPC内蔵モデルについては、資格確認端末そのものを入れ替えるのと同じ位置付けになります。
メーカーを変更する場合には、一定の手間や費用負担が発生します。ですが「大変そうだから今までと同じメーカーに」と安易に考えるのではなく、複数台接続ができるかや、医療機関の運用に合っているかという機能面を優先して検討することをおすすめします。
③ 本体価格だけでは終わらない
比較表の価格を見て予算を立てると、あとで足が出ることがあります。実際にかかるのは、カードリーダー本体の代金だけではありません。
カードリーダー本体以外にかかる費用として、次のようなものがあります。
- 資格確認端末(オンライン資格確認に使うパソコン)の代金:キヤノンとリコーはカードリーダー本体とは別に必要(現在の資格確認端末を継続利用できる場合は不要)。パナソニックはカードリーダー本体に内蔵されているため不要
- 設置や設定の作業費用:資格確認端末やレセコンとつなぐ設定費用
- ネットワークの設定費用、工事費用:設置場所を変える場合などに発生
- レセコン、電子カルテの改修費用:システムによっては対応が必要になる場合あり
- 導入に際して購入した備品代
特に資格確認端末の入れ替えも伴う場合には、基本的にベンダーの設置作業が必要になります。作業費はベンダーによって差がありますので、具体的な金額は設置を依頼するベンダーに確認しましょう。
そして注意したいのが、補助が受けられるのはカードリーダー本体・資格確認端末・物理テンキーの購入費用だけという点です。ここで挙げた費用のうち、設置作業費、ネットワークの設定費・工事費、レセコン・電子カルテの改修費は補助の対象外ですので注意が必要です。
見積りを取るときは、「機器本体の代金」と「設置・設定の費用」を分けて出してもらうと、補助の対象になる金額がはっきりします。次はその補助金について見ていきましょう。
補助金が活用できる
カードリーダー買い替えの補助について、発売済みのメーカーについてはすでに情報が公開されています。ここでは概要をお伝えします。
第2世代のカードリーダーを新規購入する場合に、メーカーや導入構成によっては、カードリーダー本体に加えて、同時導入する資格確認端末や物理テンキーも補助対象になります。
メーカーごとに申請できる範囲や金額、受付開始時期が異なりますのでご注意ください。

申請期限:令和9年(2027年)2月1日
※申請には領収書が必要です。見積書では認められませんので、購入・支払後の申請となります。
補助の詳細は医療機関等向け総合ポータルサイト「第2世代(次期)顔認証付きカードリーダーの導入に係る助成金について」で確認できます。
まとめ
- 第2世代はキヤノン・パナソニック・リコージャパンの3社から発売予定
- 発売済みはキヤノンとパナソニックの2社。3社が出揃うのは10月
- パナソニックはPC内蔵という新しい設計。省スペースが期待できる一方、現場での運用実績は今後確認が必要
- リコーのCaora 2は価格等の詳細未公表。補助金の扱いも未定
- 第2世代カードリーダーの購入には補助金が活用できる。申請期限は令和9年(2027年)2月1日
本記事では、3社の違いと比較時の注意点をまとめました。「結局、自分のところにはどれが合うのか」という選び方については、別記事であらためて詳しく解説予定です。台数や設置スペース、今使っているメーカーによって最適な選択は変わりますので、そちらもあわせてご覧ください。

